段取り八分

昔々、京都で行われた第３回青年技能競技大会では、初日に現寸図作製でした。

最初に線を引くときに手が震えていたのを覚えています。

宿泊は大部屋で講師も選手も一緒に雑魚寝で、気持ちが高ぶってなかなか寝付けないうえに、隣のイビキに目が覚めた記憶も懐かしい思い出です。

今では髪は抜け、目は老眼。眼鏡をかければ直線が歪んで見え、鋸を引くのも難しくなり、チャレンジするのは若いうちだ、とつくづく感じる歳になりました。

湘北訓練校の講師となり、この数年は補佐委員としていろいろな大会を見てきましたが、上位の成績を取る人には共通する点があるように思います。挨拶がきちんとできる、競技中も道具や材料は置き場所を決め周辺が整理され、出たゴミはその場で片付ける、手を汚さない、そして態度が謙虚で、人の話をすなおに聞く。

「心技体」という言葉がありますが、心の在り方が技を磨き、体を成すのだと思います。

トップに入るために重要なこととして、次の３点を上げておきます。

１．すなおさ

２．同じ失敗を繰り返さない心掛け

３．暗記力。

　これからの若者たちの精進を期待します。