復興
2013年、所用で福島へ行く機会を得た。
バスの車窓から見たいわき市の街並み。
屋根ばかりがやたらきれいな家、あるいは壊れたままで手つかずの住宅、
基礎だけが残っている家、ブルーシートに覆われたままの建物、積み上げられた瓦礫…。
いや、
瓦礫なんかじゃない、大切な、たくさんの思い出たち。
海沿いは壊滅的。
聞くと見るでは大違いだと、改めて感じた。
あの震災から、2年半も過ぎているのに、
国内外からあんなにたくさんの寄付が集まり、助成金も出ているのに、
それがどこに使われているのかが皆目見えない。
復興には「まだ8年かかる」といわれている。
地元の人の話を聞くことができた。
亡くなって見つかった人は、両の手に何かを持っていたそうだ。
大事な何かを握りしめ、利き手が使えなかったんだろう、と。
その手に握られていた思いを無にしないために
私たちにできることは何なんだろう…。