『調和』

2004年、縁あってドイツを訪れました。
バスの車窓からは雄大な山々の連なりが拡がり
自然と構築物との、調和のとれた自然が美しい。

家々は離れすぎず、近すぎず、
屋根の色も壁の色も同系色にまとまっていることで
お互いの生活を尊重してきた歴史と文化を感じさせ
通り過ぎるものにも、安らぎが伝わってきます。

今の日本では、周りの景観などお構いなしといった感で
文化遺産として守られるはずのところでさえも
それぞれの個人的なイメージだけで建てている家が目立ちます。
”便利”と”利益”が優先されてしまっているのでしょうか。

調和のない景観は、調和のない暮らしをもたらします。
街並みの調和のなさは、日々暮らす環境を悪化させ
他人への迷惑を顧みない子どもや大人を増やし
それらが廻り回って、おかしな事件が増えてはいないでしょうか。

昔にあと戻りすることは出来ないけれど
ここらでひと休みして、伝統という大切な忘れものに思いを馳せ
癒しの時代にして行きましょうよ。

自然の素朴さを活かした住まいを造り続けることで
心和む、景観や自然と調和する暮らしを提唱し続けてゆきます。


           金子建設代表 金子勝彦

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